
親潮と黒潮とがぶつかる三陸沖の海では、魚貝類が一年中水揚げされ、
コンブやワカメなど海草も豊富に採れ、ゆたかな魚貝・海草を織り交ぜた料理が独特の
沿岸食文化を生み出しました。
耕地が少なく、主食はひえ、あわ、麦などのまじった三穀飯が基本で、海草入りのめのこ飯、
生きのいい魚貝や内臓を使った五十集屋(漁家)料理が、四季おりおりに食膳をにぎわします。
三陸沿岸でよく獲れるエゾイソアイナメ(呼称:どんこ)は、脂肪分が多くなる冬が旬で味噌汁や
鍋物として好まれている魚です。
陰暦10月20日の恵比寿講には、尾頭つきのどんこ汁を神前に供え豊漁を祈願しました。
気仙地方では現在もこの習慣が続いています。また、白身で淡泊な味は産後の肥立ちに良いとされ、
体力回復の料理として食べられてきました。